作品について
何の変哲もない ちいさな小学校。
よくみると 無いものが
たくさんあります。
広い校庭もない。チャイムも鳴らない。
いろんな儀式も形式もない。
教科書も使わない。
そして この学校にしかないものも、
たくさんあります。
物怖じしないで発言し
どんなことでも話し合い
活き活きと 自然に伸びゆく子どもたち。
子どもたち 一人ひとりを見つめ、
一緒に歩む先生たち。
みんなを包んで
豊かに流れる時間。
考えてみれば、これって
本来は「あたりまえ」のこと。
「あたりまえ」って
とっても大事。
和光小学校に一年間通って撮影し、
そんな「あたりまえ」を見つめました。
ぜひご観覧ください。
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「日本で いちばん遅い入学式」
遅くなるのは、2年生から6年生まで学校を挙げて、会場の飾り付けやプレゼント作りを分担して準備する、手作りの入学式だから。迎えた新入生たちは、式の主役。会場の一番いい場所に座ってもらい、上級生たちの歌や踊りで、大事にもてなします。格式とか厳粛さとか余計なものは一切ない、とても温かい式です。
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「はっぴょうしても いいですか?」
1年生が車座に座って、クラスの仲間の「発表」を聴く会です。「みんなに聴いてほしいこと」どんなことでもOK。最初は恥ずかしかった子も、やがて話したいことが湧いてくるようになっていきます。どんなことでも話し合えることが、和光小の子どもたちの強さ。その力は1年生のときから養われていくのです。
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疑問を共有し 考え合う学び
教科書は配られるけれど、ほとんど使われません。授業は全て手作り。しかも核になるのは、子どもたちが感じた疑問や「?」。それをみんなで考え、話し合ううちに、国語なら「読み」が深まり、算数なら「考え方」が見えてくる——「アクティブ・ラーニング」なんて新語が出る、遙か前から続けられてきた学びです。
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「日本一熱い運動会」
春の運動会は、競技種目や作戦・応援スタイルまで、全て子どもたちが仕切る一大イベント。「行進」や「来賓の祝辞」など無く、色分けしたチームの対抗戦で、熱く盛り上がります。「騎馬戦」は、相手を崩すまで闘う激しさ。微妙な判定には、子どもからクレームがつき、先生が誠実に対応するのも、この学校ならでは。
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自分の痛みとして 感じる
6年生の総合学習のテーマは「沖縄」。自然や文化・歴史から基地問題まで広く学び、秋には学習旅行で現地を訪ねます。現代日本の抱える、さまざまな深い問題の一端に、毎日触れ、夜な夜な話し合う4日間。「自分はどうしていくのか」が問われる濃密な体験を、しっかり心に刻みます。
クラウドファンディングに ご支援くださったみなさん
この映画は、以下の方々のお力をいただき、実現しました。
クラウドファンディングのサイトには、詳しい製作の趣旨や経過のほか、最新情報を掲載いたしますので、ご覧ください。
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【特別協賛】
明治大学放送研究会 OB 高本努 増田 照彦 Y.F 佐藤 光一郎 株式会社Santa 北山 ひと美 窪田 彰 医療法人社団 オーラルデザイン 任剛一・李陽子 増田組ニライカナイ一同 福井崇人・奈巳 久下 玄 斉藤 孝文
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【協賛】
佐藤 光一郎 YUKIKO HARA 黒澤 成吉 ちよし 町田 淳子 株式会社ライフスタイルプロデュース K's Family 森清 和夫 江﨑 純・江﨑 和代 寿藤 四郎 艸薙 匠 井上 浩二・井上かおり シゲ 木村 悠一郎 世田谷百貨店 Organic Hills (Vivre de BIO Marché) 森清 和浩・綾子 ファザーリング・ジャパン 藤原健司 たまき・かれら・みさ・ひなき(6-1) 遊座 李巴 西田 玲奈・西田 正人・西田 与
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澤田 稔・聡子 植田 めぐみ 森本 康彦 塩崎 昇 平田 啓 鈴木 陽子 西田 裕子 すぎみ 山崎 慶太・山崎 光子 池田 元 やまぴー 島田 賢一郎 尾添 仁志・陽子 杉山 忠行 立正大学土屋研究室 藤田 尚子 谷 香連(鄭)
矢島 悦子 矢島 圭 山本 夏寧 ぬまっち 山下 愛 シン あき 大久保 和彦 黒田 圭美 眞彩・実雨・睦実のパパ 原 弘三郎 みっちゃん 沢田さやか murayasu Ishikawa Yoshito 阿部 正彦 渡部 京子 井出(山口)直美 1048 Deguchi Shizuka 黒田 雅人 武田 忠義 岡本 央 宇佐美 千尋 松浦 真裕子 Go 後藤 愛子 エン 堀内 洋子 矢島 美絵矢島 昌彦 そーご 中井 孝之・友美 岡田 暁史 平岡 尚子 おちあいよしこ エイティ8 鮫島充 かずぅ 中浦 洋平 後藤 芳輝 半谷 俊彦 田中 久美子 齊藤 敏雄 Sol 艮 香織 塩塚 希美 伏木 久始 小柳 ちひろ 高橋 慎吾・かづき 本広 真樹子 鵜飼 大治郎 入船 尚雄 伊藤 俊一 けん 麻 雅幸 新谷 慶子 渡辺 英雄 渡辺 美佐子 大島 秀一 伊藤 優子 福地 寛子 加藤 綾野 春山 昌宏 ちーちゃん シゲクマ 村上 朝子 Ideguchi Taiki Douglas じぞうど 片桐 義宏 くろくろ123 miyah77 蠣崎 直樹 安保 麻美子 谷 大輔・華子 山崎 祐子 いしお ゆかり 塩田 惠理 平井 里美
堀川 譲二 鈴木 村田 智子 神田 加奈子 美術共育実験室 Miro art lab 永山 ミト 鐘川 崇仁
し~ちゃん 伊藤 加奈子 鳥本 雅喜 amiami 仲渡 尚史 アツシ 米本 直樹 山澤ひじき 加藤 拓也 山崎 六彦 ありがとう和光 縄田 早苗 永松 敦子 東郷 真子 sky 国松 しほ 帯刀 彩子 nobucco Iori Imai 今井 朋彦 不破 理江 A.N. 山内 太郎 高橋 香 加藤 哲哉 塩田 七海 波多野 由美 吉川 純子 nanacoママ Hayashi Takeo ますちゃん Sachiyo Hosoe 笹川 憲一 Suzui Takafumi ひらりん 保津 和美 K-chang 森田 美佳 有馬 理恵
制作チーム
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監督
増田浩
(ますだ・ひろし)片や下らない形式主義や思考停止そして「オトナの都合」で窒息しそうな教育現場、片や教育を「喰い物」や「踏み台」にする魑魅魍魎がますます跋扈する日本社会に、暗澹たる気持ちでいた中で、出会った和光小学校は、とても眩しく輝いていました。その一端でも共感していただければ幸いです。
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房満満
(ぼう・まんまん)1989年中国生まれ。小学校から12年間、勉強しか許されない教育の中で育った私は和光小学校の子どもたちがとても羨ましかったです。自分の意見を表現し、他人の意見を聞き入れ、そして社会や世界に関心を持つ。そんな子どもたちの姿に胸が熱くなり、それが「当たり前」という和光小学校の空気に惹かれて撮影しました。
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製作
矢島良彰
(やじま・よしあき)さまざまな場面で先生が「号令」や「指示」をするのではなく、子どもたちがその気になるまでじっと待つ、促すのは子ども同士。今回の取材で何度か目にした和光小学校の教育の姿。新鮮な驚きと教育に対する認識を新たにしました。
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製作会社
テムジン
ドキュメンタリーを中心に映像製作に取り組む会社です。これまでの製作作品や会社概要については、 https://www.temjin-tv.comをご覧ください。
上映情報
映画館
2020年12月19日〜2021年1月15日 東京・渋谷のユーロスペース(終了)
1月15日(金)~21日(木) 兵庫県豊岡市の豊岡劇場(終了)
1月30日(土)〜2月5日(金) 大分市のシネマ5(終了)
2月6日(土)〜12日(金) 横浜市の横浜シネマリン(終了)
2月27日(土)〜3月5日(金) 名古屋市のシネマスコーレ(終了)
3月13日(土)〜26日(金) 大阪市のシアターセブン(終了)
3月19日(金)〜25日(木) 京都市のアップリンク京都(終了)
3月27日(土)〜4月2日(金) 東京の下高井戸シネマ(終了)
4月1日(水)〜30日(金)・5月19日(水)・26日(水) 東京のシネマ・チュプキ・タバタ(終了)
4月25日(日)〜4月30日(金) 鹿児島市のガーデンズシネマ(終了)
5月13日(木)〜8月18日(水) 沖縄県沖縄市のシアタードーナツ・オキナワ(終了)
5月14日(金)〜5月20日(木) 仙台市のフォーラム仙台(終了)
5月16日(日)〜6月5日(土) 神奈川県逗子市のCINEMA AMIGO(終了)
8月3日〜31日(うち休業日あり) 福島県いわき市の湯本駅前ミニシアターKuramoto(終了)
2022年3月12〜14・16〜18日 東京都豊島区のシネマハウス大塚(終了)
2023年7月30日(日)〜8月5日(土) 神奈川県逗子市のCINEMA AMIGO(終了)
自主上映会
2021年2月14日(日) 盛岡市の岩手教育会館にて(終了)
3月21日(日) 大分県宇佐市の勝福寺にて(終了)
3月22日(月) 岩手県花巻市の県教職員組合花北遠野支部にて(終了)
3月28日(日)北海道幕別町・幕別百年記念ホール講堂にて(終了)
4月24日(土) 東京都町田市の和光大学現代人間学部にて(終了)
5月5日(水) 茨城県牛久市の牛久市中央生涯学習センターにて(終了)
6月5日(土) 盛岡市のプラザおでってホールにて(終了)
6月12日(土) 福岡県筑紫野市の「遊び学び舎 みつばちアジト」にて(終了)
6月26日(土) 神奈川県川崎市のかわさきゆめホールにて(終了)
7月3日(土) 福岡県篠栗町の「フリースクール山ねこ」にて(終了)
7月10日(土) 兵庫県尼崎市立美方高原自然の家「とちのき村」にて(終了)
8月30日(月) 沖縄県北中城村の沖縄県立はなさき支援学校にて(終了)
9月4日(土) 北海道余市町の北星学園余市高等学校にて(終了)
9月17日(金) 東京都世田谷区 上町しぜんの国保育園にて(終了)
9月26日(日)10月7日(木) 神奈川県藤沢市の大鋸市民の家にて(終了)
10月17日(日) 愛知県日進市のワンダースクエアドリームズにて(終了)
10月25日(月) 静岡市の常葉大学内保育サークルにて(終了)
11月20日(土) 静岡県浜松市の県教育文化会館にて(終了)
11月28日(日) 福岡県福津市の市文化会館にて(終了)
12月5日(日) 東京都世田谷区の社会福祉法人ふきのとうの会にて(終了)
12月18日(土) 福島県いわき市のポレポレシネマズいわき小名浜にて(終了)
2022年1月21日(金)〜23日(日) 東京都町田市の和光鶴川小親和会にて(オンライン上映 終了)
1月23日(日) 三重県四日市市の市勤労者・市民交流センターにて(終了)
1月30日(日) 三重県鈴鹿市の市文化会館けやきホールにて(終了)
2月5日(土) 神奈川県厚木市の七沢希望の丘初等学校にて(終了)
2月11日(金) 高知市の自由民権記念館にて(終了)
2月12日(土) さいたま市の埼玉会館にて(終了)
3月3日(木) 東京都世田谷区の成城学園初等学校にて(終了)
5月7日(土) 三重県津市の「まん中こども館」にて(終了)
5月11日・18日(水) 北海道旭川市の北海道教育大学旭川校にて(終了)
5月17日(火) 横浜市のあおぞら谷津保育園にて(終了)
5月29日(日) 茨城県つくば市の「つくば子どもと教育相談センター」総会にて(終了)
7月2日(土) 東京都町田市の和光大学現代人間学部にて(終了)
7月12日(火) 三重県朝日町の社会福祉協議会にて(終了)
7月17日(日) 石川県小松市の滝ヶ原ファームにて(終了)
7月22・23日(金・土) 香川県高松市の男木コミュニティセンターにて(終了)
8月10〜12日(水〜金) 香川県高松市の教員自主研究サークル「綾」にて(終了)
8月21日(日) 大阪市北区の中崎町ホールにて(終了)
9月17日(土) 東京都府中市のプラッツバルトホールにて(終了)
9月18日(日) 沖縄県読谷村文化センターにて(終了)
10月16日(日) 愛知県日進市の「ぐるぐるにっしんまちミル博覧会(終了)」にて
10月26日(水)・11月2日(水) 北海道旭川市の北海道教育大学旭川校にて(終了)
11月12日(土) 佐賀県基山町の児童発達支援・放課後等デイサービスみらい(終了)
12月3日(土) 和歌山県田辺市の認定NPO法人ころん(終了)
2023年1月20・21日(金・土) 神奈川県川崎市のプライベート・サロン・ラディアントにて(終了)
1月24日(火) 北陸地方の国立大学教育学部のゼミにて(終了)
2月19日(日) 兵庫県養父市の子育て・移住サポートセンターにて(終了)
5月13日(土) 東京都品川区の区立障害児者総合支援施設「ぐるっぽ」にて(終了)
7月1日(土) 愛知県日進市の市民会館「にっしんわいわいフェスティバル2023」にて(終了)
7月7・8日(金・土) 東京都世田谷区の「ひだまり保育園」にて(終了)
7月13日(木) 三重県津市の三重大学教育学部にて(終了)
7月15日(土) 東京都町田市の和光大学現代人間学部にて(終了)
7月16日(日) 東京都品川区の総合区民会館にて。「その先へ」併映(終了)
9月24日(日) 東京都府中市市民活動センター プラッツにて(終了)
11月2日(木) 北海道旭川市の北海道教育大学旭川校にて(終了)
11月26日(日) 広島県福山市の福山駅前シネマモードにて(終了)
12月9日(土) 新潟県上越市の上越教育大学にて(終了)
2024年1月4日(木) 神奈川県茅ヶ崎市のATELIER_KONGEN(アトリエ・コンゲン)にて(終了)
1月14日(日) 京都府城陽市のマゼルプロジェクトにて(終了)
3月31日(日) 京都府城陽市の文化パルク城陽にて(終了)
4月28日(日) 東京都板橋区の高島平地域センターにて(終了)
6月29日(土) 鹿児島県曽於市役所にて(終了)
9月28日(土) 東京都多摩市立永山公民館にて(終了)
9月29日(日) 山形県尾花沢市の文化体育施設「サルナート」にて(終了)
10月11日(金) 那覇市の沖縄大学人文学部の宮島ゼミにて(部内上映)
11月2日(土) 鳥取市の県民ふれあい会館にて(詳細はこちらをご覧ください)
11月24日(日) 京都府福知山市のリバース647かわい承学校にて(詳細はこちらをご覧ください)
自主上映会のご案内
上映館から遠くに お住まいの方、
子育てや教育について 語りあう場をつくりたい方、
観覧された感動を 地元でも広めたい方……
自主上映会を開いてみませんか?
この映画をきっかけに、教育について語り合い・考え・改善していく輪が広がっていくのが、私たちの願いです。それに最も適した方法は、たとえ小さな集まりでも、自主上映会を各地で開いていただくことと思います。「飛ばし見」や「観て終わり」になりがちなDVD販売や、ネット・TV放送の予定はありませんので、どうかご了承ください。
- 上映料
-
akogare@temjin.co.jp までお問い合わせください
- 上映素材
-
ブルーレイ・ディスクかDVDを、お貸し出しします。高画質のブルーレイ・ディスクでの上映をおすすめします。
耳の不自由な方のために、日本語字幕付き版もあります。また、目の不自由な方のために、別途音声ガイドのご案内もしております。詳しくはお問合せください。
初めての方でも上映会を開催していただけるよう、最初から懇切にお手伝いします。
メールか電話で、お気軽にお問い合わせください。
E-mail: akogare@temjin.co.jp 電話:03-5465-6678(株式会社テムジン)
映画のトートバッグ いかがですか
映画オリジナルのトートバッグを作りました。
番 | カエル・M |
---|---|
1 | 生成り地に青 |
2 | グレー地に黒 |
3 | ピンク地に橙 |
4 | 黄色地に緑 |
5 | ネイビーブルー地に青 |
番 | カエル・L |
---|---|
6 | 生成り地に青 |
7 | 生成り地に緑 |
8 | 生成り地に橙 |
9 | ピンク地に橙 |
10 | 黄色地に緑 |
番 | トリ・M |
---|---|
11 | 生成り地に青 |
12 | 生成り地に緑 |
13 | グレー地に紫 |
14 | 黄色地に黒 |
15 | ネイビーブルー地に青 |
番 | トリ・L |
---|---|
16 | 生成り地にピンク |
17 | 生成り地に緑 |
18 | 生成り地に青 |
19 | ピンク地に紫 |
20 | 黄色地に黒 |
番 | カメ・M |
---|---|
21 | 生成り地に橙 |
22 | 生成り地に黒 |
23 | グレー地に緑 |
24 | 黄色地に黒 |
25 | ネイビーブルー地に黄色 |
番 | カメ・L |
---|---|
26 | 生成り地に青 |
27 | 生成り地に黒 |
28 | 生成り地に橙 |
29 | ピンク地に紫 |
30 | 黄色地に黒 |
和光小学校卒業生の木版画家・絵本作家 竹上妙(たけがみたえ)さん(写真)によるオリジナル・デザイン。丈夫な帆布製です。 各色・サイズの写真は「あこがれの空の下」ネットショップ(https://akogare.stores.jp/)でも見られます。 ご質問はメールで お気軽に akogare@temjin.co.jpまで
(収益は、この映画の製作費=回収中と、全国への展開を永く続けるために使われます。どうかご購入・ご支援ください)
メッセージ
戦後最大の教育改革と言われている新学習指導要領が2020年度から実施されます。今、子どもたちにとってほんとうに必要な学びとは何か、各教育機関、民間教育研究団体などさまざまなところで議論が進められてくる中で、ドキュメンタリー映画を制作しているテムジンさんが、和光小学校の教育に関心を示して下さいました。
和光小学校は、大正自由教育の流れを汲む学校として、1933年、「子どもたちに日本一の学校を!」と願う父母のみなさんが土地を求め、全国各地から教員を探し出し創り上げた学校です。戦後、中学、高校、幼稚園、大学、鶴川幼稚園、鶴川小学校ができ、和光学園として今に至っています。
私たちは、生きる力につながる学力を育てたいと思っています。<生きる力>とは、「競争」を前提とする社会を生き抜く、生き残る、つまり適応する力ではなく、子ども自身が学習や生活、社会に主体的に関わる力なのだと考えています。
そのために育てたい学力とは何か、教員たちは子どもたち、父母の声を聴き、話し合いながら学校づくりを進めています。
これまでも、これからも、子どもが主人公である学校であり続けることをめざしたい、と願っている私立小学校の挑戦を、ぜひ多くのみなさまにご覧いただきたいと思っています。
― 北山ひと美
和光小学校 校長
世界中を見渡しても、如何なる教育理念、教育プログラム、教育体制をもってしても、そこに「答え」はないと思っています。
だからこそ、日々変化する時代性、社会性に対応しながら、「答えのない疑問」に挑み続けなければならないのが、まさに教育現場に求められている本質ではないでしょうか。
今から約40年前に卒業した和光小学校が、今も「答えのない疑問」に挑み続けている姿に、胸が熱くなりました。
どうか1人でも多くの方々に、とくに「和光小学校」をご存知ない方々に、ご覧戴きたいと心から願っております。
― 岩代太郎
和光小学校卒業生・作曲家
私の長女が和光幼稚園に通っていたご縁もあり、今回ナレーションを担当させていただきました。先生達の熱心さも伸びやかな子ども達の姿も手に取るように伝わって来ました。
命令されて動くのではなく、子ども達が「今なにをすべきなのか」自分で考えて行動する...思いやりや責任感はそうした中から育まれるのでしょう。
子ども達を尊重する教育が、これからの豊かな世の中を創っていく事を期待しています。
― 高橋惠子
この映像記録は、子どもの自主性と創造性を信頼し続けてきた和光小学校の1年間の記録であり、子どもたちの感受性の豊かさと知性の柔らかさを、学びの事実で活写しています。
和光小学校は1933年の創立以来、子どもを中心とする教育の伝統を守り続け、創意的なカリキュラムを開発し、子どもたちの可能性を拓く創意的な教育実践を生み出してきました。
総合学習の「手づくり教育」における沖縄学習や、思考と探究中心の教科の授業づくりは、どの学校の教育にも多くの示唆を与えるでしょう。海外との国際交流や異文化教育の取り組みも、素晴らしい。
アクティブ・ラーニングによって授業とカリキュラムの見直しが迫られている現在、子どもたちの創造性と子どもから学び続ける教師たちの創意を映像で開示したこの記録を、一人でも多くの教師たちと保護者たちに鑑賞していただきたいと願っています。
― 佐藤 学
学習院大学特任教授・東京大学名誉教授
私が和光小学校に転校したのは1952年。10歳のときだから、68年も前になる。
私を作曲家にしたかった父は、当時の担任の先生からあろうことか「男の子がピアノなんてやると結核になる」と言われて激怒し、私を強引にやめさせてしまった。そしてまだ新しく、自由な校風で知られる和光学園に転校させる手続きをしてくれた。
父が学校に申し入れた条件はただひとつ。「毎朝ピアノの練習をさせるので、1時間めの出席は免除していただきたい」。それを学校は受け入れてくれた。
この話を人にすると驚かれるが、和光はそういう学校なのだ。
つまらない型にはまった、当たり前の勉強なんかしなくていい。好きなことを見つけて、とことん突きつめればいい――。
当時の同級生には東京藝大に入った者が私を含めて2人いる。博士号を取った者も2人、医師になった者もいる。みんな、和光学園に通っていたときは好きなことばかりしていた。先生たちも生徒のやる気や興味を認めて、応援してくれた。
生徒が自分の「好き」を見つけ、追求するのを後押ししてくれる空気が、ここにはある。昨今の“自粛”の世の中に(それは悪だと思う)、こんなに自由な学校があるということを、多くの人に知ってほしい。
そして時代は変わっても、和光学園にはずっと変わらないでいてほしい。
― 三枝成彰
和光小学校卒業生・作曲家